井土まちづくりレポート第9号

思い出屋台で聞きました
1枚の写真から溢れるたくさんの井土の思い出

11 月 19 日(土)に開催された第 1 回「井土プチマルシェ」では、震災前に撮影された井土地区の写真をもとに思い出話を語っていただく「思い出屋台」が登場しました。
本物の屋台を改修したブースには、ひっきりなしに住民の皆さんが訪れ、井土地区に暮らしていた頃の思い出をたくさん集めることができました。今回は、その中から 3 枚の写真を見て語られた思い出をお届けします。

集落の境にある一本松
一本松は、津波で根がやられてしまって、ダメになったんだ。それでも、しばらく残っていたんだよ。
一本松は幹から山桜が出ていたんだよ。

一本松は、藤塚から塩竈に行くときの目印の松だった。目印は他に、藤塚の三角田(三角の田んぼがあった)、中野のホヤ松(ホヤマヅ)、二木の向かい原(ムカイッパラ)の一本、そして深沼の狐塚だった。
松の根っこには、行き倒れの人の墓があり、石仏があった。
集落のすぐそばを流れる井土浦川
区画整理の前、井土浦川は蛇行していた。うちの前に川が流れていて、まだ石垣が残っている。うちは「大幸丸」という船を持っていて、船つき場が家の前にあったんだ。
井土橋の上から上流を見ている写真。左が二木側。

この船は佐藤さんの船。昔はシジミ、ヘラブナ、コイなどが取れたんだ。
大幸さんのところは、藍を栽培して、藍玉をつくって出荷してたんだ。
井土浦川では、ハゼ、ドンコも捕れたし、ボラの大群が来たこともあったよ。
井土のメインストリート
親父は酒好きだったので、よく大友商店に酒を買いに行かされた。3合、5合くらいの量り売りだったと思う。
青屋根は大友商店で、食料品や酒を売っていた。ポストもあったなぁ。
左手に見えるのが海楽寺で、この近くが子どもの遊び場だった。震災前までラジオ体操をやってたよ。
お寺と神社の間は子どもたちの遊び場で、缶蹴り、かくれんぼをした。神社の床が高くて、その下で遊んだんだ。

うちの家の北側にはホタルがたくさんいた。ホタル狩りの人に親父が「あんまり捕んなよー」と言っていたなぁ。
増子さんの家は、とすけ屋で「ますこや」といった。
ここには紙芝居やポン菓子売りも来ていたんだよ。
子どものころ「ますこや」によく行っていた。5円でイカとかスーパーボール買ったなぁ。
「思い出屋台」の店主のお二人にお話を伺いました
フリーライター・「暮らしの採集室」主宰
西大立目 祥子さん

店を開けると次々とお客様がいらっしゃいました。かつての集落の写真を前に、ありありとその風景を見ているように話を聞かせてくれます。子ども時代の思い出が出てくるのも印象的でした。中には、震災の後、数年間がれきの街並みしか思い浮かばなかったと打ち明ける方もいました。みんなで思い出を持ち寄れば、より細やかに生活や街並みを描き出すことができるのではないでしょうか。
建築家・「荒浜のめぐみキッチン」共同代表
小山田 陽 さん

皆さん、話し出したら止まらない(笑)。知人同士の方も、初めての方も、屋台を囲んで一緒に「井土」の話に花を咲かせる。その様子に、昔も今も変わらぬ郷土への愛を感じました。より楽しくお話ができるよう屋台を改良していきたいです。
冬の間も、井土では様々なイベントが開催されます!
2/18(土)自然環境学習会Vol.03
むかっち博士とつくる
「井土の押し花・押し葉ポストカード」
海辺にある井土地区は、冬になると海から吹きつける風がより冷たさを増し、寒さが体に堪える季節になります。それでも足元に目線を移せば、海辺ならではの草花を楽しむことができます。
今回の自然環境学習会では、井土地区に生えている冬の草花を題材に、その種類を学びながら、乾燥させてつくった「押し花」「押し葉」でオリジナルのポストカードを制作します。生き物や植物に詳しいむかっち博士の解説つきです。ぜひご参加ください!

【日 時】2023 年 2 月 18 日(土)10-12 時
【会 場】井土集会所(仙台市若林区井土字宅地 19-2)
【参加費】一組 500 円
【参加対象】おおむね5歳以上(5歳以下でも参加は可能です。小学2年生までは、必ず大人の保護者の方と一緒にお申込みください。小学3年生からは、おひとりでの参加が可能です。)
【申込方法】先着 10 組となります。右記 QR コードを読み取って申込フォームにご記入いただくか、電話にて①参加者名と②電話番号をお知らせください。

◎講師:向井康夫さん(通称:むかっち博士)
1976 年大阪生まれ。大阪府立大学農学部で、学部、修士、博士と、田んぼ地域に生息する水生昆虫の生活史と生活場所利用に関する研究を行い、学位を取得(学位論文:稲作水系における水生昆虫の保全生態学的研究)。専門は水田の水生動物の個体群動態、生活様式と多様性、生物間相互作用。水田の水生動物の多様性に関する研究の職を経て、現在、自然体験を通じて、多くの方に自然を楽しみながら、自然の奥深さに触れていただき、自然への興味を持っていただくことを目的として、「むかい*いきもの研究所」を営んでいる。
●著書:『絵解きで調べる田んぼの生きもの』(発行:文一総合出版)
●ウェブサイト:https://www.mukai-ikimono.com/index.html
2/5(日)氷で遊ぼう!
かつてこの地域の子どもたちは、冬になると水路や池、田んぼで氷をすべって遊んでいました。この取り組みも今年で 4 年目。海楽寺のそばに氷を張ってお待ちしています!
【日時】2023 年 2 月 5 日(日) 8 時 30 分~ 11 時 30 分
【場所】海楽寺西側(井土集会所そば)
【申込方法】参加者全員の住所・氏名・連絡先電話番号を、電話または電子メールで
お知らせください。
〈主催・申込〉認定NPO法人 冒険あそび場-せんだい・みやぎネットワーク

毎月 11 日は井土クリーン作戦!
昨年 5 月から始まった「井土クリーン作戦」も、冬季期間も変わらずに継続中です!
ご無理のない範囲でご参加いただけますと幸いです。
2 月 11 日(土)
3 月 11 日(土)
◎両日ともに朝 9 時~
◎集合場所:井土集会所
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