• 井土まちづくりレポート第15号 2024年3月7日

    11月18 日開催!

    かつては「井土の秋の風物詩」

    海辺にヨシを刈りに行きました

    2023 年 11 月 18 日(土曜)は、第 6 回井土自然環境学習会を開催しました。今回のテーマは「井土の海辺のヨシを見に行くこと」です。井土地区の海辺に一面に広がるヨシ原の光景は、仙台市沿岸部の他のエリアでは目にすることができません。井土地区のヨシは昔から「質が良い」と言われており、かつては入会地として共同管理が行われていました。

    東日本大震災を経て、防潮堤やサイクリングロードの整備が行われたことで、海辺の様子も随分と変わりました。今回は久しぶりの海辺でのフィールドワークとなり、参加した方々とともに海辺の今を共有する機会になりました。

    ▲集会所に集合して、車で乗り合わせて貞山運河近くの谷地に向かいました

    海辺の景色を一変させるヨシ原

    フィールドワークを行ったのは、井土浦川の河口近くの谷地です。ここは、かつては入会地として井土地区の住民によって管理が行われていました。ヨシが生い茂る風景は、仙台市沿岸部ではここだけです。夏場は青々としていたヨシ(写真右/2022年9月撮影)は、冬が近づくと枯れて、色味も変わって硬くなります。昔も、稲刈りが終わって一段落した 11 月ごろに、一斉に刈り上げていたそうです。

    背丈の高いヨシに苦戦しながらも、みんなで収穫

    少しだけ、生えているヨシを拝借。根元が硬く、稲刈り用の鎌では負けそうになりました。足の踏み場もないほどにびっしりと生えているため、恐る恐る前に進みながらも、だんだんと「質の良いヨシ」を探すことに夢中になっていきました!大人の背丈を優に超えるヨシは、収穫して束ねるのも一苦労。子どもたちも、普段の生活ではできない体験に大興奮でした!

    昔は「井土のヨシは良質」と言われたけれど……

    今回のフィールドワークで気になったことは、ヨシとともに、セイタカアワダチソウが勢いよく生えている様子が目立っていたことです。地元の方も「こんなにセイタカアワダチソウが生えているのは、ここの谷地では見たことがない」とのことでした。正直なところ、全体的にはヨシの質も良いとは言えず、「井土のヨシは質が良い」と言われていた頃の状態を取り戻すための方策も検討する必要があると感じました。

    ヨシの「これからの使い方」を大議論!

    谷地でのフィールドワークの後は、井土集会所にて、参加者の皆さんとともに「今後のヨシの使い方」について意見交換を行いました。ゲストとして参加していただいた札幌で活動する環境団体「北の里浜 花のかけはしネットワーク」の皆さんからは、石狩川流域に広がる湿原の資源を活かした文化継承プログラムをご紹介いただきました。また、同じくゲストであるプロダクトデザイナーの小松大知さんからは、全国的にヨシは衣・食・住どの分野でも積極的に使われてきた実績があることが紹介され、身の回りの自然資源を有効に使おうとしていた暮らしの知恵を感じることができました。

    当日の参加者の皆さんからは、以下のようなアイデアが寄せられました。

    井土地区にとっては簡単に手に入る素材であることから、「いくら失敗しても、いつでも手に入る!」という手軽さを活かして、さまざまなものづくりのワークショップができるのではないか、という意見が出ました。そこから、だんだんと「硬く縛れば椅子もつくれそう」「舟もあるよね」「川俣さんのパーゴラに屋根を葺く?」「ヨシ製のテントでキャンプ!」「だったら、ナイトマルシェでヨシづくし屋台をやろう!」と、アイデアが止まらなくなりました!

    せっかくの地域資源、未利用なのはもったいない!現代的にアップデートを図りながら、活用していきたいですね。ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!

    今年も、東日本大震災で被災し、犠牲となった地区住民の方々への哀悼の意を込めて、慰霊祭を開催します。井土集会所前に設置された慰霊碑を囲んで行いますので、ご参加くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

    【日時】2024 年 3 月 11 日(月曜)14 時 30 分~
    【会場】井土集会所 慰霊碑前
    【内容】海楽寺住職による読経、黙祷、焼香

    ※当日は、9 時より「井土クリーン作戦」も実施します。
    こちらにもぜひご参加ください。

    「井土まちづくり推進委員会」を「井土まちづくり推進協議会」へ改称します

    2021 年 7 月に設立された「井土まちづくり推進委員会」は、井土町内会とともに、東日本大震災後の井土地区のまちづくりを進めるために、さまざまな取り組みを行ってきました。2021 年度より 3 年間「仙台市地域づくりパートナープロジェクト推進助成事業」に採択されたことで、「井土プチマルシェ」の開催や「井土クリーン作戦!」の実施、『井土まちづくりレポート』の発行等、住民の皆さんが集まって「井土のこれから」を気軽に話し合う場面をつくり出すことに尽力してきました。

    これらの取り組みをとおして、顔を合わせながら話し合うことの大切さや、外部関係者のサポートの有難さを実感してきました。このような、これまでの 3 年間における当地区のまちづくりの蓄積を今後のまちづくりに活かしていくために、「井土まちづくり推進委員会」を「井土まちづくり推進協議会」へと改称し、より多様なメンバーで構成された組織のもと、「井土のこれから」を具体的に検討・実現させていくことを目指したいと考えています。現在、2024 年 4 月の設立を目指して協議を重ねているところです。

    正式に決まりましたら改めてお知らせさせていただきますが、住民の皆さんの声を聞きながらまちづくりを進める体制をより一層意識して取り組んでいく所存です。何卒ご協力くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

    さまざまな形で情報を発信しています。ぜひご覧ください!

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    井土クリーン作戦、開催中!

    3月 11 日(月曜)
    4月 11 日(木曜)

    5月 11 日(土曜)
    いずれも 9 時~ @井土集会所
    ご参加をお待ちしています!

    ●発行・編集:井土町内会、井土まちづくり推進委員会(ido9840842@gmail.com)
    ●2024年2月発行