- 井土まちづくりレポート第17号 2024年7月17日
今年度は「海辺のヨシ」に大注目!
「井土アレザレキャンパス 2024」始動!今年度の新プロジェクト「井土アレザレキャンパス」がついに始まりました!「井土アレザレキャンパス」では、井土の地域資源を「あれざれ」(※仙台弁で「あらいざらい」の意味)使いこなしていくことを目的に活動していきます。
今年度は海辺のヨシに注目して、ヨシの使い方だけでなく、管理の仕方も考えていくためにプロジェクトを立ち上げました。その第 1 回となるイベントを、プロダクトデザイナーの小松大知さん、ヨシの火入れの研究をされている高橋栞さん(東京大学大学院博士課程)によるナビゲートの下、井土地区の海辺に広がるヨシ原にて 6 月 30 日(日)に行いました。
新しいヨシと古いヨシ
この時期のヨシ原は春先に出た新芽も大きく成長し、大きいものだと 2m を超える長さになっています。細長く青々とした葉をつけながら海風に揺れるヨシは美しい光景をつくってくれそうですが、現状では、枯れて数年来残っているヨシと、今年生えたばかりのヨシが混在しています。そのため、「美しい」とは言い切れない状況です。ヨシ原の近くには自転車道もあり、自転車で海辺の風景を楽しみながら走るライダーも多いエリアです。ぜひ美しいヨシ原を再生させて、多くの方に井土の魅力を知っていただきたいと思いました。
みんなで作業して「灯りづくり」の素材を調達
当日は、参加者の皆さんと一緒にヨシ刈りを行いました。梅雨の合間で天気が心配されましたが、何とか雨に降られずに、そして程よい暑さの中でヨシの刈り取りを行うことができました。この刈り取りの目的は、7/20に行う「灯りづくり」の素材調達です。
デザイナーの小松さんの指示の下、新しいヨシと古いヨシを選別しながら刈り取っていきました。これまで手入れがなされていない分、足元も不安定でしたが、怪我もなく無事に作業を終えることができました。なお、昔のヨシ刈りでは歯(足を乗せる板の下の突起部分)の長い下駄を履いていたそうで!昔は池があった⁉
今回作業したのは、井土浦川のそばのヨシ原です。不思議そうにヨシ原を眺めている住民の方に話を聞くと、「このヨシ原には、昔は小さな池がたくさんあったんだけどな。今は無くなったみたいだ」とのこと。井土地区でヨシ刈りをしていた1960 年代ごろまでは、このエリアは一面にヨシが広がっていたわけではなく、小さな池がところどころにあり、その周りをヨシが囲んでいたそうです。現在は、自転車道の近くに溜め池が一つあるだけです。風景が変わっていることも、住民の方と一緒に作業をするとよく分かります。
束ねるにも知恵と技が光りました!
刈り取ったヨシを集会所まで運ぼうとした時に「あ!縛るための紐を持ってきていない!」と気づきました。どうしようかと慌てていたところ、「葛(くず)の蔓(つる)で縛ったら大丈夫だよ」と住民の方に教えていただきました。参加者の皆さんにも協力していただきながら、近くに生えていた葛を地面から引っこ抜き、葉をむしり取って蔓を調達。束ねる手業もお見事!あっという間に、すべてのヨシを束ねることができました。こうした何気ない作業にも、この地域に暮らしてきた知恵と技が光りました!
かつての管理のおかげで継承された資源
最後に、ゲストの高橋さんからコメントをいただきました。「このヨシ原にはカモノハシ(イネ科の多年草)が見られたのが特徴的でした。カモノハシはヨシ原ではあまり見かけないので、地元の方によってしっかり手入れされてきた背景を伺うと、カモノハシの存在も納得できます。また、鳥の声もたくさん聞こえるのも、このヨシ原の良いところだと思いました。多様な生物が生息できるヨシ原は、とても魅力的な資源だと思います。新しい形での管理方法を検討していくことが、井土地区のさらなる魅力づくりにつながると思います」(高橋栞さん)
高橋さんによれば、全国各地で地域ぐるみによるヨシ原の再生が行われているとのこと。井土でも参考にしながら、美しいヨシ原の復活に取り組んでいきたいですね。
第 1 回で収穫したヨシを使って、夜の井土地区を照らす灯りをみんなでつくります。ナビゲーターは、プロダクトデザイナーの小松大知さんです。ぜひご参加ください!
〈日時〉2024 年 7 月 20 日(土)10 時~ 12 時
〈会場〉井土集会所(仙台市若林区井土字宅地 19-2)
〈参加費〉500 円
〈申込方法〉
以下のいずれかの方法で「参加者氏名」「電話番号」をご連絡ください。
①電 話 070-2443-0743
②メール ido9840842@gmail.com
③ Form(下記コードを読み取ってください)現代美術家・川俣正さんが今年も井土で滞在制作を行います!
世界的に活躍している現代美術家の川俣正さんが、今年も井土地区にて滞在制作を行います。川俣さんには、ご自身が行うプロジェクト「仙台インプログレス」の対象地として、昨年度から井土地区に関わっていただいています。昨年 8 月には、集落部のメインストリートにベンチ(9 か所)と「井土浜パーゴラ」を設置し、住民による地域活動時の休憩スペースをつくってくださいました。
今年は、8 月 4 日から 10 日ごろまで滞在予定です。今回は、どのような作品をつくってくださるのか、とても楽しみですね!皆さんもぜひ、川俣さんの作品制作の過程を覗いてみてください。
▲昨年川俣正さんに滞在していただいた際には、「井土浜パーゴラ」の制作だけでなく、「井土プチマルシェ」でベンチをつくるワークショップも実施していただきました。
仙台市天文台の「ベガ号」がやってくる!
「星空観望会」を開催します夜の井土で、仙台のどこよりも美しい夜空を眺めてみませんか。当日は、仙台市天文台の移動天文車「ベガ号」もやってきます。
【日時】8 月 8 日(木)19 時~ 21 時 (受付 18 時 30 分~)
※曇天および雨天時は室内にて星空の説明になります。
【集合場所】井土津波避難タワー(仙台市若林区井土宅地 47-2)
【内容】仙台市天文台スタッフによる星空解説、ベガ号に乗って星空観望
【定員】30 組(先着順/受付は 7/30 まで/定員に達し次第、受付終了)【申込方法】
下記いずれかの方法で「参加者のお名前」「ご連絡先」をお伝えください。
①電話 070-2443-0743
②右記フォーム https://forms.gle/Vow89EePYvjQHbgJAさまざまな形で情報を発信しています。ぜひご覧ください!
●発行・編集:井土町内会、井土まちづくり推進委員会(ido9840842@gmail.com)
●2024年7月発行≪ファイルダウンロード≫